金融危機の教訓

今回の金融危機の問題から得られる一般的な教訓として、レバレッジをかけることの危険性に目を向ける必要があるということがあると思います。

今回の暴落では、FXや信用取引で大きなレバレッジをかけて大きな損をされた方も多いと思います。
大きな損をするのは、FXや信用取引そのものが悪いわけではなく、レバレッジの掛け方に原因がある場合が多いと思われます。
かなり意識的にリスクの取り方を考えないと、取らぬ狸の皮算用で、どうしても儲かった時の利益に目が向いてしまい、レバレッジを大きくかけてしまいがちです。

また、私たちは一般の生活の中でも気がつかないうちにレバレッジをかけています。
例えば住宅ローンを組んで、頭金500万円で5000万円の家を買うというのはレバレッジ10倍で不動産に投資していることになります。
価格が10%下落すれば、頭金は消えてなくなり、30%下落すれば1000万円のオーバーローンになります。
これは本人が気がつかないうちに恐ろしく危険な賭けをしていることになります。
昔のように、同じ職場で年功序列型の終身雇用に守られていた時代であれば、住宅ローンを組むリスクはそれほど大きくなかったのでしょうが、現在のように、いつリストラや減給などで安定した収入が得られなくなってもおかしくない状態で大きなレバレッジをかけてローンを組むリスクというのは非常に大きいと言えます。

しかし、政府の経済対策などを見ていると、過去最大規模の住宅ローン減税ですか。
住宅購入者を増やすことは景気を押し上げる効果が大きいのでこのような政策になるのでしょうが、住宅ローンを組んで住宅を購入するリスクをしっかりと教育することなく、住宅ローンを組んで住宅を買うことを後押しする政策をいつまでも推し進めるというのは長期的には決して国民の幸福にはつながらないと思います。

そのように言う私も今はレバレッジ2倍で自宅を買っていますが、将来的には、住宅ローンで自宅を買うというライフスタイル自体が時代遅れになると思っています。

売れないリスク

今日は反発しましたが、ダウも日経平均も為替も1日で10%くらいは動いてしまうというすさまじい動きです。
メガバンクのような超大型株がストップ安に張り付いて売れない市場って恐ろしいことだと心から思います。
私はリートで、2週間売れないという状態に置かれたことで、売れないリスクというのを嫌というほど味わったので、今は株を買って持ち越しをする気になれません。
売れないリスク、これは本当におそろしいですよ。
ITバブルの崩壊相場を見たときも、何が恐怖かといれば「売れない」ということです。
あの時は値段が10分の1になっても売れない、売りたくても何ヶ月も売れないそういう恐怖の場面を目の当たりにしました。
値段が半分でも売れた方がよっぽどいいということはあるのです。
その意味で日本は値幅制限がきつすぎる気がします。
大きな悪材料で本当のパニックになると、全銘柄がストップ安で売れないなんてことも起きますから、そういう売れないリスクを考えると、今は持ち越しは怖いなと思います。

現在のポジション

10月9日に、買いポジションをひととおり手仕舞いしたのはよかったのですが、日本レジデンシャルの現引き分を、9日引け時点で、190株保有していました。
資産の2割をreitに入れて長期保有をしようと思ったからです。
しかし、9日引け後にニューシティレジデンスが民事再生申立てを発表。
これによって、日本レジデンシャルの株価は暴落し、115000円から49100円まではザラ場で寄り付かず売ることができませんでした。
本日損切りしました。
ムーディーズの格下げ、投資法人債が発行できないであろう状況、金曜日の会社からのIRの内容から配当はなされない可能性が高まったことなどから、長期保有の前提が崩れたからです。

この銘柄については色々と今後の可能性を考えましたが、おそらく投資法人としての最善の対応方法は、物件を売却して売却損を出して、配当をしないでよくすること。
そうすることで、配当原資と、売却代金を返済にまわすことです。

利益の90%以上を配当しないと法人税を課税されてしまうというリートにおいては、通常は、利益を債務の返済に充てることができないのですが、物件を売却して売却損を出して会計上の利益をマイナスにしてしまえば、配当は出さなくていいですし、配当原資と売却代金は全額返済に回せるといいことずくめです。

現状において、この投資法人にとってはベストの選択だと思えるので、おそらくはこの方法を取ってくると思われます。
金曜日のIRでも、物件売却により債務を削減することを表明しており、この方針なのだろうと考えられます。
そうすると、当分は会計上は赤字で配当は当分でません。
長期的には債務を削減できてプラスですが、配当を目当てに買っている投資家が多いリートの場合、この材料は短期的にはマイナスに働く可能性もあると思います。
また、長期的にネックになるのは、リファイナンスではなく、投資法人債の償還かなと思っています。
もっとも、これは他の下位のリートには言えることですが。

日本レジデンシャルの損失は、約1800万円となり、今年の損失は約2000万円となりました。
再帰不能な損失ではないので、来年以降で復活のチャンスを狙いたいと思います。
年内の更新頻度は落ちると思います。

バランス型投信って本当に安全?

投資家は、ポートフォリオの中に、完全には相関のない複数の資産を持つことによってポートフォリオのリスクを減らすことが出来るのが分散投資で、その理論自体は正しいと思います。しかし、問題は、投信を買う人が現在のような極端な状況まで想定して買っているかというと誰も想定していないだろうということです。売る方も想定していないでしょう。

例えば、投信スーパーセンターで運用資産1000億円以上のバランス型投信を検索して、7本の投信があり、昨日時点での過去1年間のリターンを見てみると、以下のようになっています。

GW7つの卵
世界各国の株式・債券から7つの資産で運用
-36.88 %

日興スリートップ(隔月分配型)
世界の債券および株式に幅広く分散投資
-34.61 %

LM・グローバル・プラス(毎月分配型)
外国の債券に約7割、外国の株式に約3割を投資する
-29.67 %

グローバル3資産ファンド
世界の債券、株式、不動産投資信託(リート)の3つの異なる資産に分散投資を行い、債券、株式、リートへの投資割合は、1:1:1を基本とします
-40.59 %

3資産バランスオープン
海外債券70%、国内株式20%、Jリート10%
-30.42 %

MHAMトリニティオープン(毎月決算型)
原則として、海外債券50%、国内株式25%、J‐REIT 25%を基本とします
-29.6 %

世界財産3分法(不動産・債券・株式)毎月
国内外の不動産、債券および株式の3つの異なる資産へ投資
-36.1 %

軒並み30%程度下落しています。
ここまでの下落は誰も想像していなかったと言えばそれまでなのですが、実際に買って損失を受けてしまった人にとってはそれでは済まされません。
この商品のリスクは、「過去のリスクやリターンから見てこれくらいですよ」という説明をされて買う場合が多いと思いますが、将来もそのリスクの範囲に収まるかどうかは分からないということを理解して買う人はほとんどいないと思います。
標準偏差の考えをもとに、将来のリスクは、99%の確率で、この範囲内と言われても、残り1%になってしまったらどうすればいいの?という問いに対しては答えが分からないのです。

私は、別に投信を批判しているわけではなくて、投信を買う場合でも、リスクというものに対して十分な認識を持たないといけないと言いたいだけです。
投信を買う場合は、どうしてもプロにお任せという感覚になってしまいやすいからです。

私の友人も、昨年銀行で、世界財産3分法を勧められたようですが勉強不足ということで購入は見送りました。よく分からないうちは買わないという彼の判断は、非常に賢明だったと思います。

旧レックスの不当なMBO

東洋経済オンラインにアップされている「不透明”なMBOに司法が警鐘 旧レックス株買い取りで少数株主の利益保護判決」は興味深いです。

記事の一部を引用すると、事実の経緯としては、
「旧レックスはMBOの方針を発表する3カ月近く前の06年8月21日に、特別損失の発生および業績見通しの下方修正を発表。これを機に同社株価は大幅な下落に見舞われた。そして株価下落後の同年11月10日に、業績の再下方修正とともに、アドバンテッジパートナーズが運営するファンドが出資する企業が1株23万円で旧レックス株を一般株主からTOBで取得すると発表。」

これに対して裁判所の判断は、
「東京高裁は「企業会計上の裁量の範囲内の会計処理に基づくもの」としつつも、「8月21日の下方修正は、MBOの実施を念頭に置いて、特損の計上に当たって、決算内容を下方に誘導することを意図した会計処理がされたことは否定できない」と決定文で言い切った。」
とのこと。

「要は前向きな財務リストラの要素を持つ中長期的事業計画の事実を伏せたまま、大幅な特別損失のみを発表したことが、情報開示のうえで問題あり、という考え方だ。」

この件については、私もレックスに投資はしていませんでしたが、一投資家として不当なMBOとの印象を強く持っていました。
恣意的な特損計上による下方修正により株価を撤退的に下落させて、底値圏わずか13・9%のプレミアムでのMBOをされたのでは、投資家は株価回復を待つという選択肢を不当に奪われてしまうからです。
こんなことがまかり通るのであれば、上場した後に悪材料を連続して出して、株価を徹底的に暴落させてMBOで非上場化するなどという錬金術さえ可能になってしまいます。

ここまで踏み込んだ判断をした東京高等裁判所には拍手を送りたいと思います。

再帰性理論vs均衡理論

現在の株価の暴落後の状況は、再帰性理論で説明できる状況かなと思います。
どういうことかというと、現在は、日経平均が、一気に8000円台まで暴落し、誰も日本は傷が浅いはずなのにどうしてこんなに下がるのかと思っている状況です。
そして、おそらく多くの投資家は、現時点では日経平均8000円台は安すぎるので、上昇する可能性が高いのではないかと思っているのではないかと思います。
これはつまり日本のファンダメンタルズから考えて適正な価格は、もっと上だから、しばらくすれば、そこに落ち着くはずという均衡理論的な発想です。
私も現時点ではそう考えています。
でも、株価がもし、このまま8000円台で推移したらどうでしょう。
金融商品の下落の損失により、破綻する金融機関が出てきたり、金融機関が貸し出しをできなくなることで、実態経済は一気に悪化してしまったりします。
そうすると、株価の暴落により、ファンダメンタルズが悪化し、悪化したファンダメンタルズを反映した株価は、日経平均8000円台が妥当な水準になってしまう可能性もあるわけです。

私は、この再帰性理論的発想から次のように考えています。
これから一定期間内に本格的にリバウンドして、日経平均1万円の大台を回復ができれば、実態経済への影響は限定的となり、その時点に過去を振り返れば、8000円台はやはりオーバーシュートだったということになると思われます。
一方で、一定期間内に本格的なリバウンドがない場合、株価の暴落による実態経済への悪影響が深刻化するため、8000円台が安いとは言えなくなる可能性がある。
どちらのシナリオになるかは現時点では分からない。

上記のような考えから、これから数週間以内に、本格的にリバウンドするかどうかが決定的に重要だと思うのです。
株式投資の利益がどうかということはおいておいても、できるだけ早く株価が回復することを願っています。

逃げ場のない日本市場

ダウの取引を行うのであれば、大きなギャップアップ、ギャップダウンが少なく、想定と反対の方向に動いた場合場中に撤退することが可能です。
しかし、現在の日本市場はアメリカの夜間市場のような状態となっており、アメリカの引けの結果と引け後のダウ先物の動きを寄り付きで反映するため、1000円程度の異常なギャップダウン、ギャップアップが起きています。
こういう状態になってしまうと、日本市場で持ち越しすると想定と反対に動いた場合の逃げ場がないということになります。
もしこのような状態で株を買おうと思えば、損失はいくらになるか分からないけどとりあえず買ってみようと思って買うしかないわけです。
つまり、損失のコントロールができないということであり、この市場で持ち越しのトレードをするというのはブレーキの壊れた車を運転するようなものだと思います。
日本株の持ち越しトレードは、ダウのトレードと比べてもリスクは非常に大きいと思います。
やはり、相場が落ち着くまでは持ち越しのトレードは難しい状況ですね。

海外市況

ダウは733ドル安の8577ドル、シカゴ日経平均先物は7時55分現在8210円となっています。
ようやく落ち着いてきたと思ったのに、元に戻ってしまいましたね。。。

今回の金融危機を日本の状況と比べると

元金融庁長官の五味さんが書かれている東洋経済オンラインの「日本の97年当時に酷似 警戒すべき『第2の危機』」は読むと、今回の危機の今後がどうなるかを考える上で参考になります。

おそらく重要な部分は、抜本的な解決のためには、当局の責任で金融機関の損失の実態把握が必要だが、米国当局はまだそこまでできていない可能性が高いということと、公的資金を投入しても、実体経済の悪化により、不良債権が増加するという負のスパイラルに陥りリスクが高いと言う点でしょうか。

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