数字を疑う習慣

公表されている統計資料などについては、場合によっては、都合のいいデータの取り方がなされていたり、データに対して間違った解釈が加えられていたりすることがあるので、常に疑ってかかる習慣をつけた方がいいと思います。

例えば、次の記事を読んでみて下さい。

「昨年末に値上げした東京都内のタクシーの客離れが止まらない。東京乗用旅客自動車協会がまとめた東京地区(23区と三鷹・武蔵野市)の3月の運送収入(1日1台当たり)は5万97円と前年同月より3.1%減った。前年水準を割り込むのは7カ月連続で、値上げ後は減少が続いている。各社は値上げによる収入増で乗務員の待遇改善を目指したが、思惑が外れた格好だ。値上げ直後の昨年12月の運送収入の減少幅は2.8%。1月が2.1%、2月は0.5%と徐々に縮小し、業界には「値上げが浸透し、近く収入は増加に転じる」との期待もあった。しかし3月は比較可能なデータがある2007年1月以降、最大の減少となった。」

以上日経ネットから引用

例えば、上記記事を素直に読むと、値上げをしたことが失敗で客離れを引き起こし、減収となってしまったので値上げは失敗だったのだなと読者は思うでしょう。

しかし、生活必需品の値上げの影響によって消費者の財布の紐がかたくなったことや、今年1月7日から東京都内の95%のタクシーが禁煙となったことの影響も減収に影響していると思われ、それらがどの程度減収に寄与していて、値上げがどの程度減収に寄与しているのかを知るすべはありません。

仮にですが、値上げをしてしない場合に、前年同月比で4%減ったとすると、値上げをして3.1%減になったことは減収を食い止めたという評価になるはずです。

つまり、比較対照するデータ(値上げをしなかった場合のデータ)がないので、本当に値上げが原因で減収が生じたかどうかは分からないのです。
(実際には過去の不況時などのデータとの比較はある程度可能でしょう。)

データを使うと説得力が増すということは、読者の立場から見れば、データがついていると安易に納得してしまいやすいということですが、そのデータがきちんとした統計資料なのかどうか、またその資料の示す結果が本当に相手の主張を裏付けるものなのかは常に疑ってかかった方がよいと思います。

(注1)上記記事は、例として取り上げただけで、この記事の客離れという解釈には特に問題はないと思います。
(注2)個人的には全面禁煙化には賛成です。
(注3)個人的にはタクシーの値上げはやむを得ない選択で仕方がなかったと思います。値上げをしたから客離れを起こしたのだとあまりいじめないであげてほしいと思います。

本日のポジション
アイフリーク(3845)買い20株
エンジャパン(4849)買い10株
GCAサヴィアングループ(2174)買い5株
コマツ(6301)売り1000株

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