ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ

「ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ」を読み終えました。
この本は、彼の持論である再帰性理論についての説明の部分が多いです。
再帰性理論とは、金融市場は、それ自身が市場に影響を与えてしまうため、将来を正しく織り込むということはできないという理論です。
分かりやすい例を挙げると、理屈では考えられないような高値で取引されている株があるとします。
一時的に株価が上がり過ぎてもいずれは、理屈で考えられる水準まで戻ると考えるのが均衡状態に向かうという現在の経済学では主流の考え方です。
しかし、著しく株価が高い状態で、時価発行増資をして資金を調達して、それで、積極的に新規事業やM&Aを行うとどうなるでしょうか。
すると、みるみる成長性が高くなり、1株利益も大幅に増えてくるということはありえます。
すると、ファンダメンタルズが改善し、市場の評価が高くなり、さらに株価が上昇するということが起こりえます。
これは、株価が高くなることが、その銘柄のファンダメンタルズに影響して、さらにそのファンダメンタルズが株価に影響してくる可能性があることを示しています。

この本において、現在の金融危機については、1930年代の大不況以来、誰も体験したことのないほどに深刻な金融危機であり、危機が起きてまた去るというものではなく、1つの時代の終わりになると指摘しています。
そして過去25年で繰り返し金融危機が起きているのは、現在の経済学の間違いに原因があると説きます。
現在の経済学の考え方は、金融市場は一時的に行き過ぎることがあっても長期的には均衡点に向かって収斂する、つまり、価格は理論的な均衡値からランダムに乖離していくものだとしています。
しかし、この考え方は、乖離が理論的な均衡値を変えてしまうという点で正のフィードバックが作用する可能性を考慮していない点で間違えだというのです。

彼は金融危機が発生するのは、現在の金融理論が間違っているからだと主張していますが、少なくとも金融理論に対する過信によるリスクの過小評価が金融危機の背景にあることは間違いないように思います。

本書は、再帰性理論の説明をメインとしていて哲学的で難解な部分も多いですが、全体としては面白かったです。

ただ、今回の金融危機が金融システムの崩壊につながると指摘するのみで、今後どうなるか、どのように対応すべきかという部分についての記述はないので、投資指南書的なものは求めない方がいいと思います。

本日のポジション
東海カーボン(5301)買い6000株
コマツ(6301)買い2000株

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